プロへの道
ベトナム語は英語とは違って、通訳者や翻訳者を
養成する機関がありません。
なので、自分で投資して独学で勉強するしか
プロになる道はしかありません。
仕事をしながら大学で地道にベトナム語の勉強を
続けたのはもちろんのことですが、
職場での実務を通して
ベトナム語力と知識を蓄積してきたのが
大きな経験になっていますね。
翻訳と通訳では使う「筋肉」がだいぶ違います。
通訳には反応の速さが求められますが
翻訳には精度が求められる、というように。
現場では、常に両方の対応を求められてきたので
両方のスキルを身に付けることで
相乗効果も得られた気がします。
今は、まだまだ経験を積むことが必要ですし、
これから取り組みたいことも盛り沢山なので
とにかく来た球はすべてキャッチ!
という気持ちですね。
「当たり前」ではないということ
ベトナム時代、会社をまとめる立場として
働いていました。
密かに学級委員長みたいな仕事だなと思っていました。
何百人の人間がいれば何百通りの意見があって
それを一つに束ねるのは容易ではありません。
日々トラブルは起こります。
ましてや文化も生まれ育った背景も違う国での
ことですから、「私たちの当たり前が
彼らにとって当たり前ではない」ということを
いつも頭に置いていました。
本当は完全に理解し合って解決するというのが
理想でしょうけど、なかなかそうもいかない。
だから、難しいけれど、どこかで譲り合って
落としどころを見つけるようにしていました。
色々苦労もありましたし、失敗の連続でしたが
そのころの経験は得ることも多く、
今の自分にとって大きな大きな糧になっているのは
確かです。
会食しながらの通訳は気を使う
食べながら通訳するのって、本当に難しいです。
他の通訳さんはどのようにされているのでしょうか。
かのロシア語通訳、米原万里さんは大いに食べ
完璧に通訳されていたようですが
私はこの形式がとても苦手です。
できれば後ろで通訳に専念していたいです。
お箸をさっと口に運んだり、もぐもぐする
タイミングを見計らうのは難しいですし、
急に会話が始まって大急ぎで口の中のものを
飲み込むこともあります。
とはいえ、口数の少ない皆様だったら
一人で後ろに座っているのも間が悪く
一緒にテーブルを囲むことで
場が和やかになることもあります。
食べる余裕がなくて、気づいたら
デザートだったということの方が多いですが
もっとベテランになれば上手にできるのかな?
とはいえ、本当はお仕事の後に
一人で好きなものを好きなだけ食べるほうが
性に合っているんですけどね。
辛いもの好きはやきもち妬き?
ăn ớt nhiều hay ghen
直訳すると、
「唐辛子をたくさん食べるのはやきもち妬き」。
ベトナムでは、辛い物が好きな人は
やきもち妬きだと よく言われます。
そして実際、辛党な人も嫉妬深い人も(特に女性)、
実に多いように見受けられます。
勝手な感想だけど、特に南部の人は
明るくてオープンで熱い人が多いので、
私は密かに東洋のラテン系と呼んでいます。
そんな彼らがひとたび嫉妬に狂ったら
大変な修羅場となるようです。。
でも、心のうちをストレートに表現できる
彼らが羨ましくもありますね。
ちなみにベトナム料理は一部を除いて
そんなに辛くありません。
テーブルの上の調味料や唐辛子で
自分流にちょちょっと味付けして
食べれるので、日本人にも馴染みやすいですよね。